モバイルアクセシビリティの基礎知識

どうも、ティフェンですー

より多くの人にアクセシビリティの情報を届けたくて、先日DroidKaigiで発表させていただいた内容を記事化していこうと思います。

時間の制限でお話できなかった部分も補足させていただきます。

これからアクセシビリティ向上を考えたい方にとって、ご参考になれば幸いです✨

 

今回は何を考慮する必要があるか判断するために、アクセシビリティの対象、チャレンジそして使えるツールについて説明します。

1. 障害の種類

まずスマホを利用することに当たって、影響する障害を4つの種類で分けてみましょう。

障害の例をリストにして、4つの種類に分ける

影響する障害の種類:視覚、行動、認知、聴覚
  1. 視覚:目が見えなかったり、距離や眩しさによって見えづらかったりする障害は視覚系です。色を区別しづらい色覚異常の方もこちらの種類に当てはまります。
    ところでメガネをかければ見える人は、(定義によりますが一般的に)視覚障害者と呼ばれる一歩手前だそうです。

  2. 行動:手が震えたり、全く使えなかったり、もしくは思う通りに動けなかったりする障害は行動系と言います。
    スティーヴン・ホーキングを想像いただければ、分かりやすいかと思います。

  3. 認知/神経:ものの認知や理解に苦しむのなら、認知の障害です。
    例えば集中力が持たなかったり、字が見えても理解することに苦しんだり、記憶力が低かったりすれば、この種類の障害と考えれます。

    ちなみにてんかんとか見たものによって脳が反応する障害は、目が原因ではないので、このグループに入れさせていただきました。(なので厳密に言うと不随意運動とかパーキンソン病もこちらに入るはずです🤔)

  4. 聴覚聴覚障害を言うと、手話で話す耳の聞こえない方を想像するでしょうが、他には状況や音の種類によって聞こえづらかったりする障害もあります。
    困る事と向き合い方が異なりますので、生まれた時から聞こえない方と、後で聞こえなくなった方を区別します。

2. 問題

これらの障害の影響で、モバイルアプリを利用する時にどんな問題が発生するか確認しましょう。

モバイルアクセシビリティ問題の例

それぞれの障害によって、様々な問題が発生する
  1. 視覚 → 内容が伝わらない
    • 文字のサイズや色によって、文章が読めない
    • 赤を緑に見えてしまって、UIを理解出来ない
    • 画面が見えなくて、ビューの構成やアプリでの現在位置が分からない

  2. 行動 → 実行したいアクションが出来ない
    • ボタンが小さくて、正確に押せない
    • スワイプやドラッグ&ドロップのような操作が出来ない
    • そもそも画面にタップ出来ない

  3. 認知/神経 → 不愉快な思いをしてしまう
    • 集中力が持たず、複雑なUIの理解や長文を読む事を諦めてしまう
    • 読む速度が遅いと、文章を最後まで読めずストレスになってしまう
    • 点滅する画像を見ると発作が発生してしまう

  4. 聴覚 → 大事な情報を見逃してしまう
    • 音楽が流れてたら、認知できず音が漏れてしまう
    • 特に喋る人の口が見えない場合、字幕無し動画の内容が分からない
      (ちなみに手話じゃないと分からない方もいます)
    • 音楽や音で分かる情報があれば伝わらない(ゲームによくあるパターン)

 

ところで、これらの問題を一時的に困ることを「状況的障害」と呼びます。

例えば。。

  1. 視覚:外で太陽が眩しくて画面が見れない、メガネを外すと字が小さければ読めない、スマホの画面を割れてしまった時
  2. 行動:寒い時とか乗り物に揺られている時に正確にボタンを押せない、疲れていて早い動きが出来ない、怪我をした時
  3. 認知/神経:頭が痛い時、疲れている時、または内容が外国語の場合
    (私は日本語での読む速度が遅いので、トーストが最後まで読めません😢)
  4. 聴覚:まわりがうるさい時、外にいるのにイヤホンを忘れた時

この通り、通常のスマホの使い方しか想定しないと、障害のない方でも困る状況がたくさんあります。

 

それから、歳を取ると、障害にかかる可能性が非常に高い事も加えれば、

アクセシビリティの問題は、他人事ではない

と、ご理解いただけたら嬉しいです🙏🏻

 

3. アクセシビリティの定義

別の名前で「ユーザー補助」や「a11y」とも呼ばれます。a11yはweb系のアクセシビリティを指して、モバイルの場合でも使われてます。

ちなみにa11yの11は、AccessibilityのAからyまでの11文字(ccessibilit)を代表するそうです👀

 

アクセシビリティは、障害のある方の体験を考えて、施設やサービス等の利用のしやすさを意味します。

問題があるかどうかを確認するために、こちらの質問を問いかけましょう:

「他人の手伝い無しで、一人で出来るか?」

例えば、車椅子の方が階段の前にいて、登れない状況は、「他人の手伝い無しで、行きたい場所に行けない」ことになりますので、アクセシビリティの問題があります。

こういう差別を出来るだけ無くすのが、アクセシビリティ向上の目的です。

 

モバイルアプリの場合は、上記説明した理由でみんなと同じスマホの使い方が出来ない人がいますので、
違う使い方でもアプリを利用できるようにするのが、私たちエンジニアの責任です。

つまり、アプリ体験をこう改善することです⬇️

アクセシビリティがしっかり出来てる階段

 

迷ったら、a11yの公式ガイドラインを確認しましょう:

Web Content Accessibility Guidelines (WCAG)

 

4. ユーザー補助機能

では、通常のスマホの使い方をしていない人は、一体何を使っているでしょうか?

 

別の記事で詳しく説明しましたので、是非読んでみてください。

tahia.hatenablog.com

(。。すみません、現時点ではAndroidしか分かりません😇

iOSの勉強が捗ったらここに追加しますね)

 

今回は以上になります。

次回、デザイン系の基礎知識や、仕様作成/確認段階のチェックリストについて書きます。

tahia.hatenablog.com

 

ノシ